| 7.医療の株式会社参入について |
株式会社は利益を株主に還元することを目的とする企業体であり、経済的利益を生み出さない医療行為は避けられる危惧があり、また医療上のモラルハザードが容易に起こる懸念もある。さらに、医療費の高騰や安易な撤退による地域医療の確保への支障などの恐れがあるため、現在認められている経済改革特区以外での参入は慎重の上にも慎重に対処すべき問題である。8.今般成立した医療保険制度改革法について今回の法改正においては、持続可能な国民皆保険制度の構築を前提に、
@ 医療費適正化の総合的な推進
A 新たな高齢者医療制度の創設
B 都道府県単位を軸とした保険者の再編・統合などを行うこと・国・都道府県による医療費適正化計画の策定・後期高齢者医療制度を運営する広域連合設立支援
などとされたところである。が、ただ単に医療費削減を進めるための施策になってはならないし、国民の痛み、医療サービスを提供する側の痛みなどを十分考慮する必要があり、今後の医療制度維持について不安を残すことがないような運営を図る必要がある。また、保険者の再編・統合については、これもただ単に都道府県にのみ今後の医療制度保持の責任を突然押しつけることにならないような運営に努めなければならないし、地域住民の年齢構成、収入その他のちがい等で地域的不公平な状況を生じてはならない。生命に関わる医療制度はあくまで国が責任を持つ中で、国民皆保険の根幹として維持してゆくべきであり、自分自身もその方向で汗をかいていきたい。
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| 8.医療提供体制について |
わが国では国民皆保険制度の下、また医療関係者の高いモラルに支えられ、誰もが安心して医療を受けられる体制が確立され、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準が達成されている。一方で、平均在院日数が長いこと、医療機能の分化・連携が十分進んでいないこと等もいわれており、特定の地域などにおける医師の偏在問題の深刻化など課題も残る。今次の医療制度改革において、
@ 療養病床の再編成
A 医療計画制度の見直し
B 医師確保対策
C 医療に関する情報提供の充実
D 医療安全対策の強化
などに取り組むこととなったが、単に財政削減という側面だけからの改革にならないよう注意が必要である。同時に質の高い医療サービスの確保を第一に考えていく必要がある。
医療機能の分化・連携については、まず受益者たる国民全体の期待と需要に添ったもので無ければならない。また棲み分けは人為的に強制して実現できるものではなく、そのことができるだけ自然な形で進んでいくことが肝要である。
すでに産婦人科医、小児科医、麻酔科医においては、その医師不足が顕著である。部分的ながらも忌避的現象が起こっていることは更に憂慮されるところである。従事者に対する経済的な保証の必要性は、論を待たない所であるが、さらに緊要な課題は、長期かつ安定した方針の下、志を高く持つ若者がこの分野により多く参加してくる体制を急ぎ構築していくことである。
国民皆保険制度」の基本的趣旨にのっとり、国家的な調整機能が十分担保される中での改革となるように留意していく。
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| 9.混合診療解禁について |
保険診療と保険外診療の併用を認めるという、いわゆる「混合診療」については、すでに部分的に実施中とはいえ、アメリカの医療制度に例を見るように、低所得者のみでなく、広く医療格差を招く恐れもあり、厳しい制限の元で行われるべきである。
また、不当な患者負担を招きかねないこと、医療の安全性をも損ないかねないことなどからも、無原則にこれを認めるべきではないと考える。
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| 10.医薬品、医療機器、保健医療材料にかかる消費税について |
医療に係わる消費税については、医療関係者の間では、いわゆる「損税」として認識されていることに留意する必要がある。現実に設備投資、機械購入などに係わる消費税は、大きな負担になっている。
かつて医療費のなかに調整されたとされる消費税であるが、その後の医療費引き下げの中、その効果は胡散霧消したと言える。この状況を放置すれば、次回の消費税引き上げの際には医療界全体に莫大な負担を強いることになりかねず、いまこれらを避けるべく十分の検討を急ぐ必要がある。
平成9年度の与党税制改正大綱において、「消費税を含む税体系の見直しが行われる場合(中略)、社会保険診療報酬等の消費税非課税措置
に関しても、そのあり方について検討すること」が明記されている。 今後消費税を含む税体系の見直しが行われる場合には、社会保険診療報酬にかかわる消費税に関する仕組みや負担等も含め、そのあり方について検討することが適当であると考える。
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